中国人と台湾人の見分け方(?)教えます

中国人と台湾人 台湾情勢

以前、こんなニュースが目につきました。

□関連記事(Searchina)

「中国人はマナーが悪い」
「大声でしゃべってうざい」
「あちこちでツバや痰を吐く」

という声は、チラホラ耳にしますし、中国の掲示板でも話題になります。
わかります。よくわかります。私も中国に同じことを思いながら住んでいました。
しかしながら、慣れというものは怖いもの。20年以上そんな姿を見ていると、

「へんじがない ただのちゅうごくじんのようだ」

と感覚が麻痺し、涼しくスルーしている自分がいます。

 

その風評被害は台湾人にも及んでいるようです。同じ中国語を話すだけあって間違えられ、不快な思いをすることもあるそうですが、日本人の無知も原因として存在します。

台湾から来ました!

といっても、

ああ、中国ね!

と返され、

中国ちゃうわーーー!!

となることが多い。これでも東日本大震災以降、だいぶ認知されてきたのですが、日本人側には悪気が全くない(単なる無知)なので、台湾人も怒るに怒れない。

このように、特に最近は「我々は中国人とは違う!(怒」という意識が強くなってきています。

私が台湾に住んでいた頃、台湾では海の向こうの中国人を「大陸人」と呼んでいました。日本統治時代経験者は「中国人」や「支那人」、影では「チャンコロ」なんて呼んでいましたが、大多数は「中国人」ではなく「大陸人」でした。私も昔は「大陸人」と言っていました。今は「中国人」ですが。
「大陸人」という響きには、自分たち台湾人も漢民族というか、どこか中国人というつながりを感じさせました。今は分かれて住んでいるけれど、同じ同胞なのだというニュアンスを含ませています。

しかし、近年中国と台湾の交流が緊密になるにつれ、中国人と我々は明らかに何かが違う、という事を悟ったか、我々は別であるというニュアンスを含む「中国人」という人が増え始めました。

そこから生まれたのが、「我々は中国人ではなく台湾人だ!」という台湾人意識。これは若者ほど高いと思ってもらって結構です。

中国側はそれを「日本統治時代の亡霊だ」「日本かぶれの奴隷ども」としています。台湾人が中国人を「支那豚」と罵れば、中国人も台湾人を「倭奴」「皇民」と罵る状態が続いていますが、明らかに中国のブーメランでしょうと。

台湾人の中国離れは英語にまであらわれています。台湾人を表す際、昔はChineseでも特に問題なかったのですが、今はTaiwaneseがほぼ定着し、そう言わないとガチで怒られます。以前、Facebookで台湾の友達に「Chinese」と言ったら友人解除された上にブロックされた、携帯もつながらなくなった、何故?という質問が某知恵袋にありましたが、悪気のない無知はバカより質が悪い

最近は香港人まで”Hongkongese”(ホンコニーズ)という言葉を作り出し、頼むからそう呼んでくれと中国人離れを促しています。どちらも世界一の権威を持つオックスフォード英英辞典には未掲載のスラングですが、TaiwaneseはFormosanと共にアメリカ英語の権威、ウェブスター英語辞典には載っており(日本の辞書にも載っている)、ほぼ市民権を得ています。

よって、日本人もそこあたりのデリカシーを理解し、台湾人を中国人と言ったりすることなきよう、台湾史家からもよろしくお願い致します。

 

しかし、実際に海外旅行などで接触すると、中国・台湾人慣れしていたり中国語がわかる人以外は、どちらがどちらかわからないと思います。中国人が全員マナーが悪いわけでもないし、台湾人にも無作法な連中はいます。

ここで簡単な中国語で両者を確実に見分けられる、いや聞き分けられると言った方がいいかも、という方法があります。中台とのお付き合い20年以上の私が、あくまで経験則ながら身についた、彼らの区分方法を初めて文章にしてみます。

 

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中国人と台湾人の区別法

※あくまで私の経験則につき、的中率100%ではないことをご了承下さい。

その1:「ニーハオ」と言って反応を見る

 

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日本人が誰でも知っている中国語と言えば

「你好(ニーハオ)」

です。中国語は日本語にない発音も多数あり、発音は案外難関なのですが、「ニーハオ」は何も難しくありません。

これで、中国人と台湾人を区別できる方法があります。

你好!!

ターゲットには、笑顔でこう声をかけてみましょう。

双方とも「ニーハオ」で返ってくるのですが、両者の「ニーハオ」にはビミョーな違いがあるのです。

ニーハオ!

または

ニーハオ…

まず、こう返ってくるのが中国人です。

中国人は元々警戒心が非常に強く、家族親戚以外の他人には、容易に心開きません。赤の他人が近寄ってくるといわゆる「第一次戦闘配備」につきます。

「こいつ、何のもくろみで俺に近づいてくるんだ?」

犬が牙を剥き、ウ~~とうなって威嚇している状態と言っていいでしょう。よって、「ニーハオ」の語気は強くなり、当たりも強くなります。

または、顔がこわばり本当に威嚇しているようなオーラを出しています。

ただし、中国人は損得勘定の計算も非常に強いので、自分に利がありと判断すれば、自分からホイホイ近寄ってきます。また、人にお願いする時など自分が下手の時も同じ。
中国人が自分からニコニコして近寄ってくる時は、500%何かしら下心があります。

タバコの火貸してくんない?

そういう下心も含めてね。

 

これが台湾人になると、

ニーハオォォォォォ!

と笑顔になり、「ニーハオ」のイントネーションも含め良くも悪くも警戒心ゼロです。

これは、香港人やシンガポール人なども同じなのですが、台湾人独特の特徴は、「ニーハオ」の語尾が、中国人と比べ伸びていること。

台湾で中国語を聞いていると、ある一定の特徴にピンときます。

「ニーハオォォォ」

「シエシエェェェェ」

「フアンインクアンリィィィィンーー(※)

(※歓迎光臨。「いらっしゃいませ」の意味)

中国の「普通話」と区別できるほどの中国語力があれば、容易にわかる違いですが、それがわからなくても、直感で語尾を伸ばしていることに気づくかと思います。

これが中国だと、語尾は伸ばしません。

コンビニに入ると、

フアンインクアンリン…

貴様はどこの馬の骨やねんとお客様を威嚇してきます。

ただし、中国も昔よりはかなりマシになり、中級以上の施設では該当しないことが多くなりました。外国人が近寄らないようなところは、相変わらず顕著ですが。

でも、手もみで「歓迎光臨」なんて中国人にやられた時には、私は本気で鳥肌が立ちます。お前は一体何を企んでいるんだと。

何故語尾を伸ばすのかは、台湾独特の構造もあるのですが、おそらくその方がソフトで柔らかくに聞こえる台湾独特の工夫からだと思います。特に女性に多い傾向なので。

 

しかし、次は確実です。サーチナの記事を見ると、おそらく台湾人自身が気付いていません。

2.「謝謝」を言って相手の反応を見る

 

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「謝謝(シエシエ)」も、日本人ならお馴染みの中国語ですね。意味は「ありがとう」です。たまに「シェイシェイ」と書く人がいますが、全然間違いです。カナで書くとあくまで「シエシエ」です。

これに返す言葉は、日本語なら「どういたしまして」ですが、中国語だとどうなるか。

これが、実はものすごくバラエティにあふれているのです。

 

中国人に、

謝謝!

と言います。

中国人から返ってくる言葉は、

不用謝!(プーヨンシエ)

だったり、

不客気!(プーコーチ)

だったり。
古いテキストでは「不謝(プーシエ)で学んだ人が多いと思います。私も最初は「不謝」で習ったのですが、ずっと長江より南に住んでいたせいか、10年以上中国に住んで「不謝」を聞いたのは通算で2回くらいでした(笑

上海では、「没関係(メイクアンシ)」「不要緊(プーヤオチン)と言う人もいます。中国の他の地方で返しが上記だった記憶はないので、「謝謝」と言って上の言葉で返ってきたら、上海か蘇州近辺の人と見なして良いと思います。

「どういたしまして」の中国語はけっこうバリエーションが豊富ですが、誰がどれを言うかは人によって違います。私の経験だと、上に書いたように上海近辺は「没関係」、広東省や湖南省は「不用謝」、北京・河北省・天津は「不客気」を使う人が多いですが、絶対ではないのでなんとも言えません。中国語学習者は四の五の言わずに全部覚えろ、以上です。

 

対して台湾はどうか。

不會!(プーフェー)

台湾では、九割九分九厘九毛これ一本です。

「不會」以外を使う台湾人は、20年前の台湾在住時にはそこそこいましたが(おそらく、いわゆる「外省人」だったのでしょう。「元日本人」もかなりいましたが、「元中国人」もいっぱいいた時代だったので、今は「不會」ほぼ一本と思って結構です。

よって、「シエシエ」と言って「プーフェェェェ」と返ってきたら、私のなまくら脳内データでは台湾人で間違いない。

実は、「謝謝」も台湾人は語尾を伸ばす傾向があります。特に、感情が高ぶると語尾が伸びる伸びる。

 

これにはちゃんとした理由があります。少し中国語のお勉強になりますが、ご勘弁を。

中国語には「声調」という音の上がり下がりがあります。発音と共にこれを覚えないといけないところが、中国語を難しくしている側面ですね。

中国語には4つの声調があります。大学の第二外国語を含め、中国語学習経験がある人は、

「マー、マー、マー、マー」

を絶対やったと思います。やってないとは絶対に言わせません。やってない?それは中国語という名前の他言語でしょう(笑

声調がある言語は中国語だけではなく、ベトナム語、タイ語などにも存在します。中国語の声調もうイヤだーとタイ語に逃げたら、中国語以上の複雑声調沼に嵌ったという笑い話もあります。

しかし、学習が進むとその他にもう一つ「声調」が出現します。

それが、「軽声」という存在。

「軽声」とは簡単にいうと「声調がない声調」なのですが、そこは本題とは関係ないので省略。

ただし、台湾の中国語にはそもそも「軽声」が存在しません。いや、あるにはあります。台湾でも学校できちんと勉強するそうです。小学校の台湾華語の教科書を見ても、ちゃんと軽声があって学んでいるはず。しかし、実際には使わない。何で?と聞いても

な、なんででしょうね?

私の中の台湾最大の謎です(笑

一つ確実に言えるのは、台湾華語の会話には「軽声」がないということ。中国語学習者は最低頭に入れておくべき知識です。

「謝謝」の後ろの『謝』が実は「軽声」なのですが、聞いた感じが中国人と台湾人で違ってきます。文字にあらわすと…

シエシェ!

シエシエェェェ~

なんとなぁ~くわかっていただけたでしょうか?

中国の中国語を勉強したという前提であれば、後の「謝」が元の第四声のままなので、結果的に語尾が伸びる、またはそのように聞こえるのです。

もし空港で、「中国人と台湾人を分ける作業の仕事」というものがあれば、私はメチャクチャ自信があります。窓口に私が立ちその前に並んでもらい、

「ちょっとこれを発音してみて」

と、「謝謝」「告訴」など、「軽声」がある単語を読ませれば一発です。

ちゃんと「軽声」になっていれば中国人だし、「軽声」がなく元の声調で発音したら台湾人。なに、簡単なお仕事です。

それを、頭の中でシミュレーションしてみました。下記はあくまでフィクションです。

 

私「『没関係』を言うてみ」

??「めいくあんし」

私「中国人はあちらの窓口!」

 

アイヤー、なんでわかたアルか?

 

私「『没関係』を言うてみ」

??「めいくあんすぃぃ~」

私「台湾人はあっちね!」

 

アイヤー、なんでわかたの?

上にも書きましたが、おそらくこれは、台湾人も中国人も気づいてないかも。もし気づいていれば、サーチナなどで指摘されているはずなのですが、そんな話も聞いたことがない。

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