今日は中国や台湾人の色彩感覚について語っていくで~
よろしくお願いします!
中国人がネットでつぶやく本音を翻訳して拡散する、「大翻訳運動」なるものがある。
大翻訳運動って何ですか?
そりゃ知らんのも仕方ないかもな…日本のメディアは全然取り上げへんさかい
大翻訳運動、中国ではトレンドどころか、知られてはいけない負の中国を全世界に暴露する「国家反逆分子」として、「愛国分子」による罵詈雑言が絶えないのである。
ある日、私が大翻訳運動のツイ垢を見てたら、こんなツイートがあったんや
内容は日本語のとおりなのだが、私はこれに強い違和感を覚えた。大翻訳運動は単に中国語の書き込みを翻訳しているだけなので、この垢氏が悪いわけではない。が、これは明らかに「間違い」だなと。
だから、私は補足としてこうツイートしたんや
日本の提灯だから、反日だから撤去されたのではなく、提灯が「白」だから民衆が生理的嫌悪感を抱いた可能性がある、いや、十中八九そうだろうと。
フォロワーのツイートの反応もなかなかのものだったのだが、ここはさらに深掘りさせるべきと感じ、今回記事にしてみた。
■シナ文化圏の「白」の概念
ところでさくらちゃん、中華世界の「色」というたら、どんな色を思い浮かべる?
赤とかですね!なんというか、ちょっとケバい感じ!
中華世界の色といえば、原色系が多い。特に縁起が良いとされる黄、赤が多く、日本の神社とは真逆である。『鬼滅の刃』の宇随天元が喜びそうな派手派手さである。
特に、お祝い事になると赤一色なのは、中華世界に足を踏み入れたことがある人なら、視覚で感じたことは必ずあるだろう。
それに対し、白は赤とは立ち位置が真逆である。
冠婚葬祭で言えば「葬」のシンボルカラーが、白なのである。
日本では、結婚式の礼服に白いネクタイを着用することが多いが、これ、中国では厳禁。中国人はおろか、日本に長年住み帰化した帰化系や、日本で生まれ育った華僑でさえ、
「ないわ~」
と言いたくなるくらいの違和感を感じるそうな。
かく言う私も、中国留学時に知人の誕生日パーティーに呼ばれた際、白いジャケットに白いシャツを着て行ったら、
「そ、それはダメです!」
とつまみ出された経験がある。
■実は台湾も同じ
この中国人の白に対する感覚、実は台湾人も同じである。
筆者のツイートに対し台湾人のコメントもあったのだが、やはり白提灯は生理的に受け付けないとのこと。
話を進めてみると、さらに面白いことがわかった。
ある台湾人が、日本人から仕事への「謝礼」として現金をもらったのだが、その包みが白い封筒。
「ないわ~」
と気分が萎えたと。
◆白包とは?
正月の子供のお楽しみ、お年玉はそもそも中国から伝わった習慣である。よって、中国や台湾、香港やベトナムにも存在する。
そのお年玉を入れる封筒を、「紅包」(ホンパオ)という。英語ではRed-envelopeとなる。
なお、「紅包」は中国でも台湾でも、隠語で「袖の下(賄賂)」という意味としてもよく使われるので、中国語学習者は覚えておいた方がいい。
この「紅包」に対する「白包」という言葉がある。
その名の通り色が赤ではなく白の封筒のことなのだが、それが何に使われるかというと、やはり葬式なのである。
上が「白包」のサンプルなのだが、絵がついているとは言え封筒の色は白である。日本でいう「香典」と思ってけっこうである。
そんな「香典」をお祝いの場や謝礼の場で渡されたりしたら…そりゃ
「ないわ~」
と叫びたくなるわなと。
ついでに台湾人に聞いてみた。
熨斗は感覚的にどうなのかと。
答えは、紅白の帯がついてる(無地、白黒ではない)ので良いんじゃないのということだったのだが、Twitterの文字ながら歯切れが悪かったのが印象的だった。要は現金を何で包むかの問題であり、モノを包むなら良いとは思う。
台湾や中国では、現金を白い封筒で渡すのはやめておいた方が無難だろう。日本人は、お祝い事で「白い封筒」で現金を包むことが多い。だからこれは余計に意識した方が良い、善悪を超えた価値観の違いである。