あなたの知らない中国と中国人の世界-「商人気質」【中国コラム】

中国人の考え方商人気質中国情勢

今や日本でも常識となりましたが、中国は世界有数、いや、世界一のコピー大国です。

中国コピーKFG

KFGとか(Gって何の略やねん)

ユニプロ中国コピー

ユニプロとか(ネタにここで買い物したいわ)

挙句の果てには…

china_fake_star_bucks

なんやねんこれ!!
(ダウンタウンの浜ちゃん風に)

こんなのはまだ序の口です。STAR FUCKSは稀に見る傑作ですが。
まことに遺憾ながら写真に撮っていなかったのですが、SONYの洗濯機やTOYOTAのバイクすら見たことがあります。もうなんでもありの世界です、人間のコピー以外は。いや、それももしかして既にあるかもしれない。

中国のイメージといえば、かつては中華料理にパンダ、紫禁城に三国志などが定番でした。ところが今は、コピー商品にPM2.5、そしてコロナになってしまいました。

かつては香港や台湾にも、日本のCDの海賊版が日本より0の数が確実に一つ少ない値段で販売されていました。丸ごと海賊版CD・DVDの店というビルも出現し、『地球の歩き方』では絶対掲載できない『黒名所』として知る人ぞ知る存在でした。今だから言いますが、私もかつてはよく足を運びお世話になっていました。

本家of本家が衰えてしまった以上、現在ではコピーの本家は中国と相場が決まっている感があります。

スポンサーリンク

何故中国人はコピーするのか

この素朴な疑問、ググれば十人十色な回答があふれていますが、これは今に始まったことではありません。その本質的な質問には、日本人的な考えではわからない、中国人の本質的なメンタルに答えが潜んでいます。

邱永漢

中国人を「商人気質」、日本人を「職人気質」だと書いたのは、台湾人作家の邱永漢でした。『中国人と日本人』という本に書かれた表現で、日本人と台湾人のハイブリッド(邱永漢はハーフ)の視点から両民族の特徴を書いている白眉です。
私も中国で、金が1円でも絡むとたちまちダースベイダーになる「商人気質」は肌で感じていました。中国で勤務していた時の上司には、

上司
上司

中国人をグーで殴るな。どうしても殴りたければ、札束で殴れ

こう言われたものです。

その言葉を含めて、「商人気質」を言葉にできないモヤモヤが、『中国人と日本人』を読み吹き飛んだ感がありました。さすがは邱永漢。

古代中国は「商業ネットワーク」だというのが、私の持論です。
今のところ存在が確定している中国最古の王朝は「殷」ですが、殷の民は「商」と自称していました。
「商」の人は貿易や商売に長けた民族で、交通の要衝に街を作り、そこに商いのネットワークの要を設け、流通を促進していました。そうして商いを行う民を、いつしか「商の人」と呼ぶようになりました。それが「商人」の語源だと。
中国王朝の領土は、「面」というより「点(都市)」と「線(道)」なのですが、それも軍事面より商いがやりやすいために作った道です。皇帝は商売における保証人的存在だったという見方もあります。
漢の武帝の西域遠征も、朝鮮やベトナムの遠征も、すべてビジネスでいう新規開拓だったと。

これで、ある事柄が説明できます。それは何故中国は朝鮮を直轄地にしなかったのかということ。朝鮮は漢から三国志の時代までは、中国王朝の直轄地になっています。が、それ以後は「間接統治」に徹しています。それは何故かと「商売」で考えてみるとこうなります。
中国目線では、朝鮮はこれといった産物もなく、言っちゃ悪いがほとんど旨味がない土地です。今の北朝鮮には金やウランなどの鉱物資源が豊富らしいですが、それもあくまで推定。地政学的にも、守りにくく攻められやすいというキングボンビーな地理環境。直轄統治にしたらコスパ悪すぎ。
だから「子会社」として分離させ、自分の言うことを100%聞く忠実な僕に管理させておいた方が安く済む。経営学上の計算でしょう。

中国人の「商人気質」

中国人は、自分たちを「龍の子孫」と言いますが、龍ではなく「商(人)の子孫」だと私は思います。

日本人は上に書いた通り職人気質で、手間暇かけて作物の質(付加価値)を上げていく職人のDNAが、農民にも存在しています
しかし、中国人は農民ですら商人気質です。一円でも高く売り、金が自分の懐に入ればそれでOK
それなら日本の近江や松阪商人と変わらないのですが、日本人と中国人の考え方の違いにつながる、大きな違いがあります。

近江商人には、「三方よし」という言葉があります。

『売り手によし、買い手によし、世間によし』

今風に言えば、Win-Win-Winの関係です。売り手も買い手も世間(消費者)すべてが「トリプルWin」がベスト。

近江商人の血を引く伊藤忠商事の創始者、伊藤忠兵衛いわく。

「商売は菩薩の行(業)、商売道の尊さは、売り買い何れをも益し、世の不足をうずめ、御仏の心にかなうもの」

自らの利益だけを考えず、他益も考える近江商人の真髄、「Win-Win-Win」が垣間見える言葉です。近江商人の血を引く商人の大阪人も、金にはがめついけれど人を騙してまで儲けようとは思わない。

これが、中国人の頭ではどうなるのか。

『売り手によし。それ以外は知ったこっちゃない』

中国商売道は、「売り手」、つまり自分が儲かればそれでいい。後のことは知らない。以上。だから、「自分さえ食べなければ」売り物に毒が入っていても平気だし、売るためには真っ赤な嘘も平気でつく。
日本で大騒ぎになった「毒ギョウザ事件」も、私に言わせれば起こるべくして起こった事件。何を今更騒いでるのか、だから食い物だけは中国(製)に手を付けるなと、困惑する日本人の中で一人、冷めた目でテレビを見ていました。

COVID-19華やかな頃も、ヨーロッパに送ったCOVID-19検査キットが軒並み不良品ばかりで、チェコやスペインが詐欺やん金返せと激怒していました。これも「売ったら知ったこっちゃない」という中国人の商人気質をよく表しています。

最近も、こんな面白いツイートを見つけました。

中国にある「任天堂公式代理店」で買ったSwichの周辺機器がニセモノだったというツイート、

あれ?中国に任天堂オフィシャルの店あったっけ?

それ、名乗ってるだけじゃね?www

と、「それって本当にオフィシャルショップなの?」という疑問も出ています。
公式店の看板がニセモノとしても、本物としてもオフィシャルがニセモノを売る(しかも客にニセモノを売るというw)にしても、どっちにしても非常に中国らしいなというお話です。

「職人気質」とは、仕事に対する誇り・責任感も含まれます。だから日本人は自分が作った商品には責任を持つ。だからギョウザに異物など入っていたら、土下座で謝罪ものなのは、我々も日本人をやっているのでわかります。

対して中国人は、右から左にモノを流し、その利ざやを少しでも高く得ようとするために知恵を絞ります。売ったらはいさようなら、極論を言ってしまえば「買うお前が悪い」となるのです。

その最たる例が転売ヤー

この転売ヤーが、中国人の「商人道」をよく現しているのです。

全員が全員ではないですが、転売ヤーには中国人が非常に多いのは周知の事実。では何故中国人に転売ヤーが多いのか。それは簡単。汗水垂らさなくても楽に儲かるから。

中国人には、

中国人
中国人

汗水垂らして身体動かして働くなんて賤民のすることアルよ!

という考えがあります。
向こうでは大学生の就職率20%とかなんとかという、数字を見ると絶望的な就職難の時代に陥っています。
日本史上最悪最凶の学生就職難の時代、「大学は出たけれど」という言葉が一世を風靡した1930-1931年(昭和5-6)でも平均就職率約32%、就職氷河期と呼ばれた2000年代前半でも大学院へ進学する学生が増えすぎて学生寮が満室となり、「学生ホームレス」まで発生しているとかなんとか(向こうの大学生は、寮に入るのが基本)。

実は就職ってあるにはあるのです。どころか、ある分野は人手不足ですらあると言います。
その分野とは…いわゆるエンジニア。
しかし、大学生は現場で油まみれになることを嫌がります。せっかく大学を出て「学士様」になったのに、そんな下賤な仕事なんて嫌だと。

転売ヤーもその考えがよくあらわれた一つの現象。モノを横から横へ流し、その利ざやで儲ける。これこそ中国の「商売道」。
一時期日本や外国を席巻した「爆買い」も、あれは消費税還付分の利ざやと向こうに販売する利益目当ての転売ヤーですからね。だから、彼らは「日本製」に非常にこだわっていました。なぜなら、日本製でないと中国で売れないから。

ちなみに、転売ヤーは家電量販店に並んでいる人らを想像しますが、あんなのタダの雑魚。転売ヤーのボスは、「手下」に並ばせて自分は事務所かどこかでふんぞり返っています。家電量販店に並ぶのが転売ヤーではありません。あんなの飾りです偉い人にはそれが(以下略

中国人の苦手なもの

中国人の商人気質のもう一つの特徴は、一攫千金タイプだということです。
職人タイプの日本人は、コツコツと、1つずつ着実に積み上げていくことを好みます。
日本のメーカーが世界中で活躍できるのも、この「コツコツ精神」がものづくりには必須かつ重要ツールだから。日本人は、メーカーのエンジニアだろうが農民だろうが、「コツコツ」のDNAを持っているのです。そして、コツコツが大好物な民族思考を持っています。

しかし、それを全く持ちあわせていないのが、漢民族です。
彼らは一攫千金を望みます。ことわざで言えば「濡れ手で粟」が金儲けの基本です。
なので、株やギャンブル、マンション投機などを好むのです。中国バブルも、民族の性癖を考えると起こらない方がおかしいというわけです。

この一攫千金タイプはまた、「コツコツ」が大の苦手でもあります。
私が小学生か中学生の頃なので1980年代だったと思いますが、シンガポールが製造業に手を出したことがありました。台湾の高雄に作られた「輸出加工区」をベースに、シンガポールの離島に「経済特区」を作り、製造業に乗り出そうと。
しかし、シンガポールの経済特区もいつの間にか消え、今は強者どもがなんとかとなっています。今、シンガポール発のメーカーなんて、聞いたことありませんよね。ビジネスに携わっていると、どうやらないこともないようですが…。
シンガポール人は7割が中国系なので、漢民族の性質上コツコツが生理的に合わなかったのだろうなと、私は思っています。

コツコツが苦手で一攫千金が好き。これを一言で言うと、「手っ取り早くカネが欲しい」ということです。手っ取り早くカネを儲けるには、コツコツを技術開発するより、既存の技術をパクればいい。つまりコピーです。
また、昨今の東芝のテレビ部門売却にもあるように、既存の技術を金の力で買う。
さらに、漢民族の民族性がこれなので、猫も杓子もコピーコピーとなってしまうというわけなのです。

パクリは当然悪いことですが、これを中国人に無くせと言うのは馬耳東風。
知的所有権などと難しいことを言っても、法律とは破るためにある…ではなく、法律を守る方がバカを見る社会では、己の生きる本能が、法律や他人の生命などすべてに勝ります。
ことわざに、
「百年河清を待つ」
という言葉がありますが、これは常に黄色く濁っている黄河の水が透明になるのを待つ、というのが元々の意味。つまり、あり得ないことをひたすら待つということです。

中国人にコピーを止めさせるのは、このことわざの通りなのかもしれませんね。

中国人を知る書籍
タイトルとURLをコピーしました