「献忠」ー中国で続発する社会報復とは

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中国で起こっている無差別襲撃事件、献忠 東亜コラム(台湾・中国・香港情勢)
張献忠

今から400年ほど前になりましょうか、中国に張献忠という人物がいました。
明が亡びゆく混乱の中、蜀の地四川省で「屠蜀」と後世に語られる大虐殺を行ったことで歴史に名を残している人物です。

張献忠が四川で一体何をしたのか…それを書き出すと別の記事ができてしまうほどなので、興味がある方はググって下さい。
少なくても言えるのは、多少は話が盛られているとは思いますが、性格・殺した人の数ともに世界史上最凶クラスの「シリアルキラー」ではないでしょうか。
なにせ、310万の人口だった蜀の地を1万8千人までに減らした張本人なのだから…。

時は流れて400年、その張献忠の名前が意外なところで現代中国に復活するとこになりました。

中国経済の冷え込み、それによる中産階級の急激な没落、そして全く光が見えない未来に対し、自暴自棄になる人民が増えています。
そして、「死なば諸共」とばかりに、自分の境遇を他人に八つ当たりするような無差別襲撃が中国では非常に増えています。

まるで虐殺を愉しむかのようなその行為…人はいつの間にか、それを「献忠」と呼ぶようになりました。

新たなトレンド用語、「献忠」の誕生です。
この言葉は2021年6月あたりからネット用語として使われ始め、一般的なネット用語となったのは、筆者の肌感覚だと2023年の頃かと思います。

中国で起こっている無差別襲撃事件、献忠の2024年発生リスト

上の表は、筆者が中国SNSやXの信頼できるアカウントから把握した、2024年1〜11月の「献忠」のリストです。

この数字は筆者がSNSで把握した数のみ。
「献忠」の疑いありなだけで確定し難いものは、筆者の判断でリストから抜いてある上に、

・筆者が把握していないもの
・🇨🇳当局が光速情報封鎖で人知れず”なかったこと”にされた
ものも含めると、この1.5〜2.5倍はあっただろうと思われます。

https://chinaworker.info/zh-hans/2025/03/21/46873

この記事によると、非公式ながら2024年だけで少なくても100余件発生したといいます。

日本では10年に1回、いやそれ以上の頻度だろう秋葉原無差別通り魔事件(加藤事件)や大阪教育大学付属池田小学校襲撃事件(宅間守事件)のような事件が、1年間でこれだけ起こっていると思うと、中国社会の異常さがよくわかるでしょう。

さらに、死傷者が多い案件になると、「献忠」の前に「大」がついて「大献忠」というワードになったりもします。

中国の献忠は国内ではNGワード扱いされ検索サイトで調べても出て来ない。

当然、中国の検索プラットフォームでは「献忠」の関連ワードはすべて検索不可であります。
そのとばっちりを受け、歴史上の人物の張献忠でさえ調べられないという有様。

現代中国をあらわすトレンドに「躺平」(寝そべり。すべてに諦め無気力な若者)がありますが、それが「陰」であれば、「献忠」は「陽」の発動。現代中国の大きな社会問題となっています。

そして2025年。

中国は「献忠」の多さにある対策に出ました。
中国のお家芸、「情報封鎖」です(笑

中国社会の閉塞感が改善するどころか、北京政府が「国安(国家安全)」、つまり経済を捨てて国内の秩序維持=共産党政権崩壊阻止に舵を切ったことから、その閉塞感はますます強くなるのは必至。
少なくても、「献忠」が減る要素は現代中国に全くありません。

よって、「献忠」案件も増えるはずなのですが…2025年になってからSNSでの「献忠報告」が格段に少なくなったのです

筆者
筆者

ははん、情報封鎖に入ったな

台湾史家ではない中国ウォッチャーとしての筆者の勘ですが、それでも「献忠」が3月から徐々に漏れ出しています。

「献忠」、今後しばらくは消えないトレンド用語なので、覚えておいて損はありません。Xでは今日も
「献忠発生!」
が飛び交っているのだから。

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