イングリッシュネーム

台湾情勢

中華圏の人と触れ合っていると、「ジョン・ワン」「ジェニファー・リン」など、名前がイングリッシュになっている人が多いことに気づく。もちろん、「ジェニファー・リン」さんでも「林麗霞」とかの中文名、つまり本名を持っているのだが、では「ジェニファー」は一体なんなんだと。

 

イングリッシュネームの付け方

どうやってイングリッシュネームをつけているのか。

結論から言ってしまうと、けっこう適当である。

 

1.先生が名付ける

学校や英会話学校などでは、まずイングリッシュネームをつけるのが授業の最初の第一歩。その付け方が、

「あなたはリチャード・ギアに似てるから『リチャード・リン(林)』ね」

「あなたの名前に「雪」がついているから、『スノー・チェン(陳)』ね」

とこんな風なんだそうな。これは中国人複数から聞いた話なので、間違いないと思う。

 

留学時代、「リリー・ウー(巫)」という日本語学科の女性がいた。
リリーは英文でLilyと書き、日本語なら「百合」。日本語を教えてもらっている女性留学生からは「ユリコちゃん」と呼ばれ、彼女もそれをイングリッシュネームならぬ、「ジャパニーズネーム」にして日本人からはそう呼んでもらいたいという、可愛い娘であった。
ちなみに「巫」という姓は非常に珍しく、中国南方に住む「中国のユダヤ人」こと客家(はっか)人にしかない特有の姓だとのこと。北京や上海などでは、まず見ない、聞いたこともない姓である。

ある日、イングリッシュネームってどう付けるんだろう、と彼女に「リリー」の由来を聞いてみたことがある。
彼女の本名は「巫莉莉」といい、北京語読みでは「ウー・リーリー」。
これでおわかりだろうと思う。単に中国語の名前の発音と「Lily」が似ているというだけで、学校の英語教師が勝手につけたものであった。

私も『適当だなw』と思ったけど、響きがきれいだからそのまま使ってるの

と笑っていたが、確かにリリーは発音も意味も女性らしいきれいな感じである。

 

2.自分から申告

イングリッシュネームは、自分から名乗るっても問題はない。むしろつける側の教師からすれば、生徒の名前を考えるエネルギーが省けるというもので。
先生に命名される前に、親から既につけられていたり、自分で考えて、
「僕、トニー・レオンが好きだから『トニー』!」

「あたし、ビビアン・リーみたいにきれいになりたいから、『ビビアン』!」

こういう人も多い。

 

私のイングリッシュネーム

実をいうと、私も持っている。イングリッシュネームは彼らだけに与えられた特権ではない。当然ながら、我々も自分で考えて作ることが可能である。

同じ日本人留学生のS君と私が、学校の長期休み中にも帰国せず、ヒマを持て余していた。娯楽もなけりゃあ金もない。プレステ(初代)あるけどゲームはやり尽くした。

S氏が声をかけた。

S「ヒマなんで、僕たちのイングリッシュネームでも考えますか」

私「せやな~」

小人閑居して不善を為す、ならぬ小人閑居してイングリッシュネームをつける。

が、二人であれこれイングリッシュネームを考えるものの、なかなかしっくり来るのが出来上がらない。そもそも暇つぶし程度なので、頭が働いておらずロクなアイデアが出てこない…

私

サミュエルってのはどないや?いけるんちゃう?

S君
S君

センスないですよww

私

アレックスは?

S君
S君

アレックスは僕の方が合いますね

私

ミケランジェロは?

S君
S君

それ、名前じゃなくて苗字じゃないですか!ww

で、あれこれ考えた挙句、もう飽きてきて、

私

もうええわ!デュークにする!

かくして私のイングリッシュネームは、「デューク」に決定した。

私の後ろに立つんじゃない・・・それはゴルゴ13ことデューク東郷である。

かくして何の理由もなく、超適当に決まった「デューク」というイングリッシュネーム。どうせ使うこともあるまい・・・と思っていたのだが。

休みが明けると日本だけでなく、海外からも新入り留学生が入ってくる。大学で中国語を勉強したり、中国系で親から中国語を習い既に中国語能力が高めの人もいるにはいるのだが、ほとんどはニーハオすら怪しいレベルの人たち。

しかし、臆することはない。みんなそこからスタートだったのだから。

そこでイケメンのクセして英語も私よりペラペラのSが、

S君
S君

彼は『デューク』って言うんだよ

と余計なことを口走ってしまったのである。

それから私の名前がDuke になってしまい、日本人・中国人以外からは1年間、あまねく「デュークさん」と呼ばれることに。こんなに広まるなら、もうちょっとマジメに考えておけばよかった。

日本人が中国人に名前を紹介する時は、単に自分の名前を漢字で書けばいい。が、
「アンディー・佐藤」
「ジョン・田中」
のように、外国人に呼ばれる用にイングリッシュネームを自分なりに考えてみるのも、己の世界が少し広がり面白いかもしれない。

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