【認識中国】『論語の逆さ読み』の術−これが中国の現実だ!

論語逆さ読み中国情勢

他の人物が述べた「逆さ読み」

この「逆さ読み」、蘇峰のオリジナルではない。他の人物もいろいろな面で述べている。いちいち挙げていけばキリがないが、代表としてあるすごい人に登場していただくことにする。

宇野哲人の言葉、論語の逆さ読み

蘇峰に遅れること6年、中国哲学の巨人、宇野哲人もこのように述べている。
一般には知られていないが、宇野は中国学に関わる人にとってはまさに神。『論語』を語らせれば日本に敵なしの権威であり、講談社学術文庫のいわゆる「宇野本」で論語を知り、勉強した人も多いと思う。
皇室ともかかわりがあり、現在の上皇・上皇后陛下のご指名で現陛下と秋篠宮殿下の家庭教師となり、『論語』の講義を行った人物である。

そんな神が「お前ら論語は逆さ読みだぞわかったな」と述べているのだから、我々無学の徒はもうぐうの音も、いや、「ぐう」すら出ない。スライムがレベル99の魔法使いに軽くイオナズンを食らったくらいの衝撃、灰すら残らない。

おそらく、「逆さ読み」は儒学を学ぶ人らが伝統的に学んだきた「裏メニュー」的存在だったのだろう。
中国の現実を知らない、見たことがない人間は、四書五経に書かれた中国世界を理想化させ膨らませ、現実を見ても観念論の中の中国が抜けなかったのに対し(筆者も中国留学中、そんな大学生を見て来た)、現実を見てきた蘇峰や宇野などの教養人は、なるほど、これが「裏中国か」と現地で目から何かが落ちたに違いない。

「逆さ読み」応用編

この「逆さ読み」、別に孔孟だけではない。中華人民共和国のスローガンにも応用できる。

為人民服務、人民に奉仕する

例えば、「為人民服務」という言葉がある。
「人民のために奉仕する」という、超がつくほど有名なスローガンだが、これを「逆さ読み」すると…お上は人民に奉仕せず人民をいじめてばかりということと、その気すらないことが浮き彫りになってくるのである。

最近は、「愛祖国」やら「愛国」やらそんなスローガンが多いが、これも人民がいかに「祖国(中国)を愛していない」かの裏返し。
身体は正直なもので、愛国愛国と声が大きくなるほど「潤」(海外逃亡)が多くなる矛盾。躍っているのは愛国阿片でラリっている小粉紅と、彼らを食い物にして金を稼ごうとする、愛国とは真逆の「人食い中国人」のみ。

「逆さ読み」の術を心得ておくと、現代中国情勢を読む非常に有効な武器となる。

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最後に

最後に、徳富蘇峰はこう述べている。

徳富蘇峰
徳富蘇峰

孔子は(当時の)中国人の姿を憂いて、そのビョーキを治したいと『処方箋』を施したつもりで(論語に書かれた言葉を)述べたのだろう。
でも、(二千数百年経った)今もそのビョーキが治っていないよね…

現在の中国人の姿を見て、徳富蘇峰はさぞかし草葉の陰で笑っているに違いない。

この「逆さ読み」、筆者は違う形で留学時の先輩留学生に教えてもらった。

それからガチで30年、改めて論語の文言をことごとく「逆さ読み」してみると、実に今の中国(人)そのもので興味深い。そして笑いが止まらない。

なんだか「裏論語−孔子が語った真実の中国」なんて本を執筆してみたい気分である(笑

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