台湾で見かける「QQ」

台湾、特に屋台へ行くと、アルファベットの「Q」または「QQ」の文字を見ることがある。

みんな大好き台湾スナック「地瓜球」も、またの名を「QQボール」。

実際の会話にもよく出てきて、字幕もQである。
この「Q」「QQ」とは一体なんだろうか。
「QQ」の意味とは…
答えを先に言ってしまうと、

Q(Q)=モチモチ、もっちり、プリップリ
のことなんやで!
QQとは食感の一つを表すもので、「弾力のあるモチモチとした食感」「粘り気があるもちもちとした食感」をあらわす。
そもそもは台湾語。アルファベットを使っているから外来語かと思ったら、どっこいガチの土着語だったというわけ。
発音は「キウ」といい、それを表す固定された文字がなかったため、いつの間にかほぼ同じ発音の「Q」が当てはめられた。
「QQ」の使用範囲は案外広く、日本の「雪見だいふく」のお餅のあのもっちり感からこんにゃくやタピオカのプリプリ感まで、すべて「QQ」。

彰化の郷土料理として知名度も高い「肉圓(バーワン)」の食感も、QQである。確かに伸びた餅のような食感だもんな。
パスタのアルデンテも日本人的には「QQ」なのだが、台湾人はどう感じているのだろうか。
「QQ」の歴史!?

この「Q」の歴史は古く、100年前に日本の台湾総督府によって編さんされ、現在でも現役の台湾語辞書として使われている「台日大辞典」にも掲載されている。
元々は「粘り気がある」「ねばねば」という意味で、それが変化して現在の「もちもち」へ。
浅学ゆえに詳しくはわからないが、おそらく、元の「ねばねば」の意味は現在も失っていないと思う。
上述したとおり、これは元々台湾語なので台湾語独特の表現である。よって、中国では基本通じない。台湾語と姉妹言語である「閩南語」が使われる福建省南部(泉州やアモイ周辺)や、台湾語との意思疎通率50%程度と言われる「潮州語」の使用範囲である広東省東部で同じ言葉があれば話は別だが、例外とみなしても良い。
中国で「Q」と言えば…

最近はすっかり陰が薄くなった中国の元祖チャットアプリ、「QQ」のことである。
台湾事情を知らない中国語学習者や、昔の中国の滞在者などは、「Q」「QQ」と言えばこちらを連想することが多いと思う。