嘉義郊外の「猫村」
嘉義市の北部に、「民雄」という町がある。
その西の外れに、「菁埔社區」という場所がある。「社區」は村という意味なので、「菁埔村」と言った方がいいだろう。
ウワサによると、ここは台湾でも有名な「猫村」なのだという。
嘉義市内から自転車でも小一時間。寅年獅子座、生き様がネコ科そのものの筆者としては、これは行かずにはいられない。

実際に行ってみると、古い様式の台湾の住居スタイル(三合院)が朽ちかけつつも残る、外国人が来そうにない田舎なのだが…

村に着くとまず出迎えてくれるのが、「猫世界」の文字。
一体、この中には何があるのだろうか…。
少し社区内を歩くと、いきなりこんなものが!

ネコ派にはたまらない猫の絵が!

「頑張れ 君ならできる!」

「愛してるよ!」

あなたにもチェルシーあげたい…ちょっとネタが古いか(笑
「あなたにイイネ100個あげたい!」
ミームに使えそうなものもいっぱい。というか、画像保存してトリミングして使ってやって(笑

ちなみに、本物もいる(笑
猫成分が足りない人は、巻末に残りの画像のリンクを貼っておくので、そこで成分をたっぷり補給してほしい。
なぜ「猫村」なのか

では、なぜここが「猫村」なのか。
それを知るには、まずここの歴史から知らないといけない。
その昔、民雄は「打貓」と呼ばれた地方であった。
高雄が昔、ターカウという先住民の呼び名に「打狗」と当て字をしたことは有名だが、ここは”ター二ャウ”と呼ばれており、「打貓」と当て字されていた。
高雄が「犬を殴る」なら、こちらは「猫を殴る」である。
その「打貓」に転機が訪れたのは1920年代である。
この時、日本の台湾総督府があるキャンペーンを行った。

難しい漢字の地名は改名させます!
岡山や松山、美濃に豊原、白河など、日本とよく似た地名が台湾には多い。
これは何も気のせいでも偶然でもなく、すべて1920年代に改名されたものが現在にまで残っているのである。
”打狗”が「『犬を殴る』とはお下品である」という理由で、同じ発音の「高雄」に改名となったのと同じく、「打貓」も同じように「お下品である」との理由で「民雄」に改名となった。
これは「みんゆう」ではなく「たみお」と発音し、本来の「たーにゃう」の日本語的な音訳だという。

それなら「谷尾」とかの方がより原音に近かったんちゃうのん?
と思ってしまうのだが、これは今さら何を言っても仕方が無い。
こうして、打貓→民雄へと改名、現在へ至るのである。
民雄、他のみどころ
民雄にはまた、「嘉義酒廠酒類文物館」という、酒類の博物館もある。

残念ながら筆者は下戸なので行かなかったのだが、このように様々な酒や酒器の販売もしているようなので、呑兵衛にはたまらないであろうか。
なお、民雄には放送博物館(國家廣播文物館)なるものがある。日本時代に建てられた放送局の建物に、台湾の放送史の文物が収められているという。
隣には、1940年(昭和15)に建てられた、おそらく当時の放送関係者が使っていた招待所(宿泊所)が修復され、「民雄日式招待所文創園區」として開放されている。

Facebookの公式ページを見ると、日本と台湾の歴史的つながりを語るイベントやワークショップもあるので、日付が合えば顔を覗かせるのもいいだろう。
なお、筆者は行きそびれたのでまたの機会に行ってみようと思う。
さいごに
台湾のネコ派は是非とも行ってみたいこの貓世界なのだが、公共交通機関での行き方は知らない。
筆者も嘉義から自転車だったので、バスなどでの行き方がわからないのである。バス停があったのは確認したので、バスは走ってるのだろうが、いかんせん「村」なので。
嘉義市中心部から、スポーツタイプのクロスバイクだと約45分だったので、さほど遠いというわけではない。

体力や足腰に自信がある方は、民雄駅から歩きも悪くない。駅から歩いて小一時間、3.6kmである。この3.6kmを楽勝と思うか、遠すぎて無理❗❗と思うかはお任せする。

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