
台湾と桜…あまりイメージが湧かない人も多いと思う。
しかし、全国各地とまではいかないものの、台湾にも桜はある。
台湾には、日本統治時代に日本人が持ち込んだソメイヨシノから、固定種の山桜、さらにはその二つを掛け合わせたものまで多種多様。
特に日本統治時代に日本人が持ち込み各地に植えたものが多く、台灣の桜の歴史はそこから始まると言っても過言ではない。
しかし、元々の桜の名所に加え、近年は新しく桜が植えられる所も多くなっており、台湾も日本に負けず劣らずの「桜大国」だったりする。
台湾の桜のシーズンは?見所は?
台湾の桜のシーズンは、旧正月が終わると始まる。
旧暦一月十五日にあたる元宵節が終わると、

花見だヒャッハー!
と桜鑑賞、つまり花見のシーズンに入る。
北は亜熱帯、南は熱帯と台湾島の間でも気候の違いがあるので、それぞれの地域で開花の時期がビミョーにずれる。
北部:2月中旬〜3月中旬
中部:2月下旬〜3月中旬
南部:3月末〜4月(日本とほぼ同じ)
台湾の桜の名所をググってみると、台北だけでも陽明山や大屯山から、「士林區平菁街42巷12號」のように、それは一体どこやねん!?と思わずGoogle mapで現地視察してしまった穴場(?)までけっこう見所が多い。

その中でも、日本統治時代は「草山」と呼ばれた陽明山が台湾一の見所とされる。
実は、このブログを書いているその日(2025年2月12日)はすでに陽明山の桜が開花しており、
「桜、開花しました」
メディアはもちろん、今はSNSの時代、Youtuberもライブで撮影している。
上述のとおり、台湾の桜も様々な種類があり、それぞれ開花時期が違う。
現在ピークなのは「寒桜」で、上の動画のも寒桜とのこと。
台湾の桜の聖地、陽明山(≒台北地区)の各桜の開花時期は、以下の通り。
・寒桜:1月下旬〜2月中旬
・山桜:2月上旬〜中旬
・八重桜:2月中
・昭和桜:2月中旬〜下旬
・ソメイヨシノ:3月上旬〜中旬
今から台湾へ旅行を計画している人は、陽明山への予定も入れてみてはいかがだろうか。
台湾の桜の名所はこちらだ!
台湾の桜の名所は、陽明山の他にも様々な場所がある。この項では、すべてではないものの、有名どころを紹介していきたいと思う。

■台北 内湖樂活公園
観光客お得度:★★★★★
見どころシーズン:1月末〜2月下旬
台北市の東部に位置する普段は静かな公園だが、桜の季節になると人がどっと押し寄せる。
要乗り物の陽明山と違ってMRTで気軽に行ける場所であるため、外国人観光客も気軽に行ける場所である。
桜もソメイヨシノ以外はすべて揃っており、行きやすさもあって台北の桜の真の聖地と言う人もいるという。
台湾に行けないという方は、ほんの5日前の動画をどうぞ。
■新北 淡水無極天元宮
観光客お得度:★★★★
見どころシーズン:2月
台北の北部、MRTの紅線の終点の古都、淡水にある名所である。
地図で見るとけっこうな山奥にありそうだが、数ある台湾の名所の中でも比較的行きやすい場所にあり、MRT淡水駅から「866」「875」のバスが便数も多く、使い勝手がありそうである。
ここの映像は、早速今年(2週間前)の動画があるので、こちらをどうぞ。
■新竹 司馬庫斯(スマングス)
観光客お得度:★
見どころシーズン:2月上旬〜3月下旬
司馬庫斯はタイヤル族の里で、タイヤル語でスマングスという。
1979年にはじめて電気が通り、対外開放されたのが道路が通った1990年代という元秘境で、それだけに土地勘がない人が行くのは困難である。
桜の綺麗さは最高なのだが、車の台数が1日50台、バイクでさえ100台限定。観光客がおいそれと行ける場所ではなさそうだ。
せめて画像だけでも楽しみたい!という方は、下のリンクをご覧いただきたい。
■嘉義 阿里山
観光客お得度:★★★
見どころシーズン:2月中旬〜4月
阿里山については、台湾でも有名な景勝地なので説明は不要であろう。
阿里山はまた、桜の名所でも有名である。

日本時代の阿里山、現在の阿里山賓館の前身である阿里山倶楽部にあった「檜橋」の横に咲く満開の桜の写真である。
阿里山の桜は日本人が植えたソメイヨシノが多いのが特徴だが、それだけでなく台湾カンヒザクラ、ヤエザクラなど、阿里山にはシーズンになると様々な桜が咲き誇る。
特に阿里山工作駅前の桜(吉野桜)は明治36年(1903)に植えられたもので、シーズンになると今でも満開になる台湾桜の旧跡となっている。
阿里山が目的で台湾へ行く日本人も多いだけに、今からの阿里山は桜が見応えがある。
■台南 烏山頭ダム
観光客お得度:★★★★
見どころシーズン:2月下旬〜3月上旬
ここも、八田與一に嘉南大圳とくればすぐに連想できる名所である。
かつてここは地元の人しか来れないような僻地で、私も28年前にはじめて八田與一像に挨拶に行った時は、タクシーと値段交渉してえらい苦労した。
そして、着いたら着いたでとんでもない僻地に着いた感があり、途方にくれたものである。
しかし、こんな場所を一躍観光地に仕立てたその人こそ…

現総統の頼清徳氏である。彼が台南市長時代にここ一帯を大整備し、誰でも行きやすくしてネズミ〜ランドならぬ「八田ランド」にしてしまったのもこの人の手腕。
閑話休題。
桜が見れる時期が10日〜2週間前後と非常にピンポイントなのと、下の動画を見ていただくとわかるとおり、他の名所に比べると「名所」と呼ぶのはおこがましい程度の規模なのがが玉に瑕であるが、日本人なら桜抜きで、烏山頭ダムを是非訪ねてほしいところでもある。
■高雄 寶山二集團櫻花公園
観光客お得度:★
見どころシーズン:2月中旬〜3月上旬

企業が桜観賞用に作った公園らしく、それだけにすべての種類の桜が揃っており桜を見るだけならここが最高というレビューもある。


高雄市民もけっこう気軽に行ける場所でもあるようで、地面にゴザを敷いて本当に花見をしている人もいる。
ただ、ここも外国人観光客が気軽に行けるところではない。
左に「六亀」という田舎町があり、筆者のXを見てくれている人は、以前紹介したことがある場所である。
正直、ここでも高雄駅前からバスで2時間、これ以上奥地へ行くと秘境感満載である。RPG風に表現すれば、六亀は未知のダンジョンへ向かう最後の補給基地という感じか。
そこから更に、更に奥である。これは現地の友達を誘惑…もとい誘って車かバイクで行くしかない。
行けない方向けに、雰囲気を味わえる動画を。
台湾人だって気になる!?日本の桜開花情報
そんな台湾人も、

桜はやっぱり日本よね〜
と思っている人が多いのか、日本の会社が台湾人や香港人向けに、中文で桜予報をネットで提供している。

もうすぐ桜のシーズンである。外国人もマナーを守って桜を観賞いただきたい。