手荷物がバージョンアップした話

香港華僑かばんその他雑想

話が外れてしまいましたが、そんなゴキブリとの仁義なき戦いから離れ、香港経由で一時帰国することになりました。
時期は2月初旬。日本では寒さのピークですが、広州は長袖Tシャツ1枚、香港は半袖Tシャツで過ごせる気候でした。

帰国当日、あるトラブルが発生しました。スーツケースが壊れてしまったのです。
それも香港へ向かっている途中のこと。悠長にスーツケースを買う余裕はありません。応急処置として、あるものを香港との国境の街である深センの駅前で購入することに。

華僑かばん

それがこれ。
中国に行ったころがある人なら、どこかで一度は見たことがある袋のはず。
中国で古くから売られているビニール製の簡易な袋で、俗に「華僑かばん」と呼ばれているものです。
これはたぶん、正式名称ではないはずです。これが何故華僑かばんと呼ばれているのか、そしてこの袋の正式名称は何か、初めての出会いから20数年、いまだにわかりません。
とにかく、我々はこれを「華僑かばん」と呼んでいたことは事実。実際にこの名前でググってみると、出て来る出て来る懐かしい画像が。
中国人民の民族大移動必須アイテムであるこの「華僑かばん」で中国と香港の国境を越え、そのまま空港のチェックインカウンターへ。航空会社はJALで機材はボーイング747だったことを覚えています。
細かい記憶は残っていないのですが、チェックインの際に何故かこの「華僑かばん」を機内預かりではなく、持込荷物にしてしまいました。
これが、劇的な展開への始まりだったのです。

 

バカデカい「華僑かばん」を抱えて機内に入ると、予想外のトラブルが。座席上のスペースに入らないのです。
これは困った・・・慌ててCAを呼ぶと、笑顔で

それでは、このお荷物は一時お預かりさせていただきます

是非そうして下さい、手元に持ってても邪魔なだけなので。こちらも笑顔でお願いしますと荷物を渡し、そのまま座席へ。

香港発関空行きの飛行機は、所要3時間で何事もなく定刻通り関西空港へ到着しました。時間はたぶん夜の7~8時くらいだったはず。
ぞろぞろと降りる客を尻目に、私は荷物のこともあるのでいちばん後に降りることにしました。そして出口近くで、

私

預かってもらった荷物をお願いします~

CAさんはハッと気づいたようですが、次に予想外の言葉が。

お荷物はファーストクラスでお預かりさせていただきましたので、今から取りに参ります

 

お荷物はファーストクラス

 

・・・ファーストクラス

 

・・・ファーストクラス

 

・・・ファーストクラス

 

あの「華僑かばん」はファーストクラスで、持ち主はエコノミーかい!
とっさに10元くらいで買った華僑かばんは、名誉の戦死ならぬ「二階級特進」。荷主ではなく、かばんの方がアップグレードしてしまいました。

またのご搭乗、お待ちしております♪

この言葉は、私ではなく華僑かばんに向けられたのかもしれない。

 

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その後、何せ人民御用達の華僑かばんなので税関に散々怪しまれ、荷物フルオープンという拷問の末、釈放されました。もしここで海賊版エロビデオヘンなものを入れていたら、今の私はなかったかもしれません。

この時の私の服装は「香港仕様」、つまり半袖でした。向こうは蚊がブンブン飛んで暑いんや、仕方ない。当人何も意識せず、旅客ターミナルを出て鉄道の駅へと向かい、外への扉を開けました。

扉を開けると、冷房をはるかに越えた極寒の風が・・・。

この時の自分が半袖だったという以前に、日本は真冬だったということを、すっかり忘れていたのです。

慌ててターミナルへ戻り、華僑かばんから冬ものの服を物色しだす私でしたが、隣を見ると同じように服を物色している、半袖の紳士が。二人は目が合い、お互い恥ずかしげにニヤリ。軽く会釈し、

相手「どちらからお帰りで?」

私「香港からですわ。そちらはどちらから?」

相手「バンコクからです」

相手さんは仕事ずっとタイ駐在で3年ぶりに帰国したそうですが、やはり現地に馴染みすぎて、2月の日本は寒いことを忘れていたらしい。
こういうのは、もしかして「常夏エリアから帰国者あるある」なのかもしれない。

いやー、日本は寒いですなーイヤになりますなーなんて笑いながら誤魔化していましたが、真冬な上にその時の気温は2℃くらいだったはず。その上、風が強い関空なので体感温度はもう少し低いはず。そりゃ寒いっちゅーねん。

 

私ではなく手荷物が「二階級特進」した上に、日本の冬将軍の洗礼まで浴びた、とんだ失敗話でした。

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